子どもを意欲的にさせる保育と給食は密接に関わっています。子ども達は日中、思いっきり走り回り、体を動かして活動します。11時30分頃にはもう、お腹ペコペコです。吉野保育園の給食は、「マクロビオティック(自然と生命の営みに気づき、それを生かし、それと共に生きること)」の考え方を取り入れています。 また、東城百合子先生や正食協会(大阪)主催のマクロビオティック料理教室に理事長、あおき保育園園長が参加し、初級~上級コースまでを修了致しました。
●「マクロビオティック」とは、日本に古くから伝わる“食養生”と東洋の深い知恵
“易”の原理を2本柱に桜沢如一氏が確立、世界に広めた新しい生活法です。その根底には「玄米正食」という自然に則した食事法があります。“穀物菜食と自然食”主食は、その地方特産の穀物(米を中心に蕎麦や麦、ヒエ、アワ、キビなど)。これを5とすると、副食は旬の野菜や海藻が2、魚介類が中心の動物性食品は1というのが目安です。
私共の保育は特に「食育」を重視しています。多くの保育園では、3才以上児よりご家庭より「主食(ご飯)」を持参するのが一般的ですが、吉野保育園では主食も一緒に提供をしています。「玄米・麦・黒米・小豆」などの穀類や季節に応じた根菜(カボチャや芋類)、ひじき等をブレンドして特注の圧力釜で温かい炊き立てのご飯を給食時に提供しております。給食時にご飯も一緒に提供する方式を『完全給食』と呼んでいます。温かいご飯を提供したいという私たちの想いもあり、温かいものは温かいうちに美味しく頂く事も食育の一つと考え、調理も日々工夫をしております。(写真上)圧力釜で、玄米を毎日炊いています。圧力釜で炊いた玄米はふっくらと美味しいです。お米は、綾町の有機栽培農家のお米を使用しています。お米で一番大切な部分を取っていない玄米です。噛めば噛むほど美味しく、消化を助けてくれるお米です。
(写真上)給食で提供される主食です。玄米と黒米のご飯です。黒米と一緒に炊き上げると写真のような色になります。所々にひじきや根菜が見えます。
玄米ご飯は、白米のご飯に比べるとよく噛まないと飲み込みにくいので、自然に噛む回数が増えていきます。たくさん噛む= 唾液がたくさん出る= 唾液により免疫力が高まり、消化作用、消化粘膜を保護する作用、味覚の働きを良くする作用など、よい作用がたくさんあると言われています。よく噛むことは、健康に良いと考えます。
これは黒米です。毎年、吉野保育園の田んぼで育てています。6月苗を植え、11月頃には年長組さんが収穫をします。黒いつやつやした黒米を白米にブレンドして炊き上がるときれいな紫色のご飯になります。
毎年 年中組さんとお手伝い募集を募りお時間の都合がついた保護者の方々、職員で作る手前味噌。(令和2年度以降はコロナの影響もあり、職員のみで行っています。)
国内産の丸大豆と伊豆大島の自然塩(海の精株式会社)を使用した保育園用オリジナル田舎みそを作って使用しています。(手前味噌)昔ながらの手作りの味で、約1年間寝かせた天然の「みそ」です。食べてみて大変美味しいです。
● お味噌にとって不可欠な麹は日本全国から取り寄せて作っています。日本全国の麹で味噌づくりを制覇したいと考えています♪
(過去の味噌)
令和2年度は青森県の森田麹・味噌店様の米麹を使用しました。(吉野保育園100kg あおき保育園100kg 大橋保育園 50kg)
令和元年度は宮城県の佐藤麹味噌醤油店様の麹を使用しました。(吉野保育園500kg あおき保育園500kg 大橋保育園 500kg)
平成30年度は佐賀県の丸秀醤油株式会社様の麦麹を使用しました。(吉野保育園420kg あおき保育園413kg 大橋保育園 72kg)
平成29年度は愛媛県の義農味噌株式会社様の麦麹を使用しました。(吉野保育園375kg あおき保育園 220kg)
平成28年度は静岡県の創業150年の老舗:北嶋糀店様の米麹・麦麹を使用した合わせ味噌。
野菜は、宮崎市・綾町・小林市を中心に旬のものを使用しています。保育園でも四季折々の野菜を育て、調理し給食で美味しくいただいています。
果物ももちろん国産のものを使用し、その季節に応じた食材を使用しています。りんごは青森から取り寄せて、パイナップルは沖縄から取り寄せています。バナナも国産バナナを頂きます。
カルシウム豊富な海藻類。海産物は、沖縄県の「もずく」、大分県の「くろめ(海草)」、を取り寄せています。これらの海産物の特徴は、化学調味料や合成甘味料・リン酸塩(発ガン要素をもつ)を一切使用していないことです。
①お塩は、『海の精 あらしお』を使用しています。『あらしお』は 国内の海水を使用して国内で生産した原料も製品も国産の塩で、 原料は海水100%。他の原料塩やニガリなどは使っていない塩です。伝統製法でつくられた海塩で、人間に必要なさまざまな無機成分(ミネラル)も含まれています。
②油は、料理にはサラダ油を使用しこまめに交換しています。手作りお菓子には『ココナッツオイル』を使用しています。
③醤油は、瀬戸内海に浮かぶ小豆島のヤマヒサで作られた無農薬杉樽仕込み醤油、(国産大豆使用・遺伝子組み換え大豆不使用)同じく小豆島の頑固一徹丸島醤油を使用しています。
④お酢は、厳選した黒酢を使用しています。
⑤砂糖は、沖縄・奄美大島の黒砂糖を使用しています。
⑥昆布は、主に北海道の昆布を使用しています。
⑤その他、科学調味料(味の素・だしの素・ハイミー)は一切使用しません。保存料・合成甘味料・合成色素の入ったものを極力避け、ねり製品については極力避けて、殆ど使用していません。
保育園では、0歳から6歳までおいしく、バランスの取れた給食を心がけています。子どもたちが全身を使って遊び、たくさん食べて、よく眠る、簡単なようで大変大事なことです。私たち給食係も、子ども達の為に精一杯頑張っていきたいと考えております。ご家庭でも、子ども達への『食育』におけるご協力をお願い申し上げます。
(1)早寝・早起きのリズムを整えましょう。身体の全てのホルモン系の分泌がバランス良く保たれます。
(2)朝食を規則正しく食べましょう。子どもにとって、その日を楽しいものにしてくれます。
(3)心のこもった食事作り、そして家族団らんをしましょう。心の通った食物を一緒に食べることは、大変大事なことです。そして「おいしかった」と言える家族の団らんも大切にしてください。
(4)噛む力をそだてましょう。
子ども(小さい子)にとって、口を大きく動かし、筋肉を沢山使い、噛み砕いたりすることは、唾液・胃液の分泌を促し知覚機能をも刺激させ脳の働きを活発にさせ、脳髄の発達を促しま す。(スルメ・ニボシ・干しイモ・その他)
(5)3歳児から始まる成人病に気をつけましょう。添加物のたくさん入った、食品・スナック菓子・カップラーメンは成人病を早めるといわれます。
(6)カルシウムの補給を忘れずに。
大人になってから補っても歯・骨を丈夫には出来ません。小魚(ちりめんじゃこ)・ごま・大豆(国内産のもの)・無添加のナチュラルチーズなども良いと思いますので食べてみましょう。
(7)食物の繊維をたくさん食べましょう。
野菜・きのこ・海藻・イモ等に含まれている繊維は、消化や吸収はされませんが腸の働きを促し、腸壁を刺激して便通をよくします。これは腸のガンを防いだり、胆汁をコントロールしてコレステロールになるのを防ぐと言われます。
(8)季節感のある伝統食も大切に考えます。
夏は身体を冷やす・トマト・キュウリ etc…を中心に。
冬は身体を温める、根菜類・ゴボウ・人参・大根などの根野菜を中心に。
献立は、吉野福祉会の4園(吉野保育園、あおき保育園、大橋保育園、企業主導型おおはし保育園)の給食担当、園長、主任を交えてオンライン給食会議を行いながら、献立を作成しています。大切な子ども達の口に入るものは徹底的に「厳選」し、より良いものを食べてほしいと切磋琢磨しています。 園独自の質の高い「給食」を心掛けています。
写真も随時更新していく予定です。